取引婚をした彼女は執着神主の穢れなき溺愛を知る
「根古間神社の外観をアップしたよ。これから毎日、神社の紹介をしていく」
「すぐにネタが尽きるんじゃない?」
「そこで提案がある」
「なに?」
「猫を飼おう!」
 彼は目を輝かせて言った。

「この神社で祀られているのは猫だ。猫は世界で愛されているし、毎日猫の画像を上げるだけで絶対にフォロワーが増える。猫目当てで参拝客が増えるし、猫がいればすべて成功する!」
 あまりの極論に優維はドン引きした。

「あなたが猫を飼いたいだけよね?」
「そんなことはない。が、猫は正義だ。猫を飼うことがいかに合理的であるかはどれだけでも説明できる。まずもふもふしてかわいいこと、耳がかわいい、後頭部もかわいい、くるんとした前足もかわいい、丸まった姿もかわいい、それから」
「猫が好きなのはわかったわ」
 優維は苦笑した。

「でも飼うのはもっとよく考えてからね」
「わかってもらえなくて残念だ」
 心底残念そうに言うから、優維はまた笑ってしまう。

「こんなに猫が好きだなんて意外」
 どこか達観していて泰然としている千景のギャップが面白い。
「初めて子猫をさわったときは衝撃的だった。こんなにもやわらかくてかわいい生き物がいるなんて。犬も鳥もかわいいが、子猫が衝撃的過ぎて猫派になったよ」
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