取引婚をした彼女は執着神主の穢れなき溺愛を知る
「お父さんにも猫を飼いたい話はしたの?」
「まだだ。君に先に聞いてほしくて」
「そうなんだ」
 優先されたことが嬉しくて思わず笑みがこぼれる。

「それから場合によってはクラウドファンディングを活用しよう」
「ネットで資金を集めるのよね。大丈夫かな」

「企画に賛同した人たちの出資だから借金することなく資金にできる。返礼品はお守りや御札のつもりだが、新しいものにしたい」
「新しいって、どんな?」
「たとえばこんなものがある」
 彼はスマホで別の神社の期間限定のお守りの画像を見せてくれた。花の形をしたものや、犬の形をしたものもあった。

「この画像の神社では季節限定のお守りや御朱印があるからリピーターが来る。うちは猫にちなんだお守りを作って御朱印もやろう。そのうち季節ごとに変えてリピーターを増やす」
「そんなうまくいくかなあ?」

「御朱印ならそんなにコストはかからない。デザインをデザイン会社に発注するならともかく」
「デザイン会社ってそんなこともするんだ?」

「どこでもというわけではないよ。それと、保護猫の譲渡会を境内でやってもらおう」
「境内は基本的に動物は禁止だよ」
 動物は穢れであるという説もあり、禁止にしているところが多い。実際には地元密着型の神社では犬の散歩などは黙認されている場合がほとんどだ。
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