取引婚をした彼女は執着神主の穢れなき溺愛を知る
「それで、千景くんの……夫の正体って、なんですか」
「早速ですね」
 聖七は苦笑してから表情を改める。

「良くない話です。覚悟はありますか」
「正直なところ、覚悟はないです。でも、聞かないままでもいられません」
 手紙を見て一晩考えた結論がそれだった。

「これを見てください」
 聖七はスマホを取り出して画像を優維に見せる。
 猫の木彫りだった。座った姿勢で目をまんまるに開いていて、尻尾は足に沿うようにくるんと丸まっている。そうとうに古そうで黒ずんでいた。海外のサイトのようで、英語のコメントがついている。

「うちの神社の神像にそっくり」
「そうですよね。おかしいと思ったんだ」

「一言投稿サイトの画像?」
「違います。海外のネットオークションに出品されていました」

「え!?」
「あなたの神社のSNSで見かけたあと、たまたまネットオークションで見つけました。木目も傷の位置も同じですよ」
 優維は慌てて自分のスマホを出し、一言投稿サイトを遡って猫の画像を見る。
 彼のスマホと並べてみると、確かに木目や傷が一致した。

「どうしてこんなことに?」
「私はご主人を疑っています」
「千景くんを?」
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