取引婚をした彼女は執着神主の穢れなき溺愛を知る
優維はなにも答えられない。顔も上げられず、ただ黙って立ち尽くす。
「優維さん。俺を見て」
顎をくいっと上げられて、優維は千景を見た。
暗がりに浮かぶ彼は、顔が整っているだけになんだかなおさら怖い。
彼の顔が近付き、優維は思わず顔を背けた。
「だ。駄目、ここは……」
だが、彼はそれを許してくれない。
手で逃げられないように固定され、強引に口づけられる。
いつもなら甘く感じるキスに、優維の心は凍る一方だった。
もがくように身を退くと、千景はあきらめたように唇を離す。
「最低! 神様の前でこんなこと」
神像がなくてもここが神域であることに変わりない。
「すまない」
千景は背を向けた。
どこか寂し気に見えて、優維は戸惑う。
どれが彼の本当の姿なのか、もはや優維にはわからない。
真っ暗な境内の中、ふたりは懐中電灯を頼りに歩く。明かりはなんどもすれ違い、ばらばらに道を照らしていた。
それからは、以前と同じように過ごしていても千景との間に見えない壁ができたかのようだった。
毎日のようにキスをしていたのに、今はない。
「優維さん。俺を見て」
顎をくいっと上げられて、優維は千景を見た。
暗がりに浮かぶ彼は、顔が整っているだけになんだかなおさら怖い。
彼の顔が近付き、優維は思わず顔を背けた。
「だ。駄目、ここは……」
だが、彼はそれを許してくれない。
手で逃げられないように固定され、強引に口づけられる。
いつもなら甘く感じるキスに、優維の心は凍る一方だった。
もがくように身を退くと、千景はあきらめたように唇を離す。
「最低! 神様の前でこんなこと」
神像がなくてもここが神域であることに変わりない。
「すまない」
千景は背を向けた。
どこか寂し気に見えて、優維は戸惑う。
どれが彼の本当の姿なのか、もはや優維にはわからない。
真っ暗な境内の中、ふたりは懐中電灯を頼りに歩く。明かりはなんどもすれ違い、ばらばらに道を照らしていた。
それからは、以前と同じように過ごしていても千景との間に見えない壁ができたかのようだった。
毎日のようにキスをしていたのに、今はない。