取引婚をした彼女は執着神主の穢れなき溺愛を知る
最適解を見つけられないまま日にちが過ぎ、日曜日、氏子総代が集まる総代会が行われた。
総代は氏子の代表であり、さらにその代表が総代長だ。神社によっては総務と呼んでいる。総代は神社の運営を手伝い、総代長は総代会では議事を務める。
総代はみな父親と同じかそれ以上の年齢で、優維は子供の頃からかわいがってもらっているが、いつまでも子どもに見られてしまっている。
優維たちは朝から忙しく準備をしていた。
本殿に長机を並べ、椅子を並べ、印刷した資料を並べる。冷風機や扇風機を何台も用意する。お金のある神社では本殿にもクーラーがあるらしいが、ここにはそんなものはない。
既に七月。梅雨は明けておらず、蒸し熱くて立っているだけで汗をかくような日で、曇天からは今にも雨がしたたりそうだ。
総代たちが来ると、優維はお茶を出して回った。
総代長の勇雄を合わせて合計八人が訪れ、そこに千景と直彦が加わって総代会が始まる。
優維は総代会に参加できない。役職がないから仕方がないが、なんだかさみしい。
いつも総代会はいくつかの確認をしたあとは親睦会と称した飲み会に出かけるのだが。
お茶のお代わりを持って行った優維は、場の雰囲気がいつもと違うことに気が付いた。
外からは雷の音がごろごろと響いている。
「借金が返せなくて大変だったと聞きましたが」
総代のひとりがそう言い、直彦は頭を下げる。