だって結婚に愛はなかったと聞いたので!~離婚宣言したら旦那様の溺愛が炸裂して!?~
約束の金曜日になり、仕事を切り上げて兄のお店に向かった。
スタッフの後についてフロアに入り、さっと見回す。
すでに食事が始まっているテーブルもあるが、ふたりは奥の一席で向かい合わせに座って雑談をしているようだった。
「お待たせ」
近づいて声をかける。
兄は「お疲れさま」と笑顔で迎えてくれ、和也さんは「ほら」と隣に座るように促した。
「仕事の話は、もう終わっているの?」
聞いていいのか迷い、遠慮がちに尋ねる。
和也さんが兄の事業と提携を結びたいがために私と結婚した可能性は、まだ否定できていない。
ただ彼が私を本当に好きでいてくれるのならなにがきっかけかなんてかまわないと考えが変わり、気にしなくなっていた。
「ああ」
私の問いかけに和也さんはいたって変わらない態度で応え、兄は若干気まずげに視線を泳がせた。
わかりやすい反応を見せた兄を凝視する。
「……くくく」
私たちの様子を前に、もう我慢できないというように和也さんが噴き出した。
意味が分からなくて、ふたりの間で視線を行き来させる。
「紘一君。うちの家庭をこれ以上引っ掻き回されてはたまらないから、そろそろ観念したらどうだ?」
「いや……まあ、そうだな」
「下手に隠せば、紗季を不安にさせるだけだから」
気まずそうに頭をかいた兄は、それから「はあ」と大きく息を吐き出した。
「なにか、あるの?」
こちらから尋ねたら、ようやく兄と視線が合う。
「まあ、な。今度このレストランと、和也さんの手がける事業が手を組むことになったんだ」
「……本当だったんだ」
いろいろな人が話していたくらいだし、和也さんも認めていた。だから事実なのだろうとわかっていたが、こうして当事者から聞かされるとなんだか複雑な気分だ。
スタッフの後についてフロアに入り、さっと見回す。
すでに食事が始まっているテーブルもあるが、ふたりは奥の一席で向かい合わせに座って雑談をしているようだった。
「お待たせ」
近づいて声をかける。
兄は「お疲れさま」と笑顔で迎えてくれ、和也さんは「ほら」と隣に座るように促した。
「仕事の話は、もう終わっているの?」
聞いていいのか迷い、遠慮がちに尋ねる。
和也さんが兄の事業と提携を結びたいがために私と結婚した可能性は、まだ否定できていない。
ただ彼が私を本当に好きでいてくれるのならなにがきっかけかなんてかまわないと考えが変わり、気にしなくなっていた。
「ああ」
私の問いかけに和也さんはいたって変わらない態度で応え、兄は若干気まずげに視線を泳がせた。
わかりやすい反応を見せた兄を凝視する。
「……くくく」
私たちの様子を前に、もう我慢できないというように和也さんが噴き出した。
意味が分からなくて、ふたりの間で視線を行き来させる。
「紘一君。うちの家庭をこれ以上引っ掻き回されてはたまらないから、そろそろ観念したらどうだ?」
「いや……まあ、そうだな」
「下手に隠せば、紗季を不安にさせるだけだから」
気まずそうに頭をかいた兄は、それから「はあ」と大きく息を吐き出した。
「なにか、あるの?」
こちらから尋ねたら、ようやく兄と視線が合う。
「まあ、な。今度このレストランと、和也さんの手がける事業が手を組むことになったんだ」
「……本当だったんだ」
いろいろな人が話していたくらいだし、和也さんも認めていた。だから事実なのだろうとわかっていたが、こうして当事者から聞かされるとなんだか複雑な気分だ。