だって結婚に愛はなかったと聞いたので!~離婚宣言したら旦那様の溺愛が炸裂して!?~
 和也さんの指が、ゆっくりと私の体内を暴いていく。途切れず与えられる快感に、たまらずシーツをぐっと握りしめた。

 私がとくに感じる場所を繰り返し刺激されて、勝手に腰が浮いてしまう。過ぎた快感をなんとか逃そうともがく私を、和也さんはまるで逃がさないとでもいうように抱きしめた。

「も、もう、無理」

 限界は、もうすぐそこに迫っている。
 下腹部からじわじわと快感の波が滲みだし、全身に力がこもった。

「やぁ……あっ、ああぁ」

 瞼をぎゅっと閉じると同時についに絶頂を極め、背中を大きくしならせる。
 それから一気に脱力して、四肢を投げ出した。

 バクバクと速い鼓動が全身に響く。思考は曖昧になり、ただ呆然と天井を見つめた。

 和也さんが体を起こす気配に、そろりと視線を向ける。
 服を雑に脱ぎ捨てていく彼を、ついじっと見てしまう。
 彼は着やせするタイプで、シャツを脱ぐと割れた腹筋が現れる。

 ボトムスに手をかけた時点でハッとして、慌てて視線を逸らす。和也さんはそれに気づいていたようで、くすりと小さく笑った。

 再びベッドに乗り上げてきた彼を視線で追う。
 片脚を持ち上げられ、つま先から順に口づけられていく。その恭しい様に、やっぱり私は彼に愛されているのだと期待が膨らんだ。

 こうして肌を重ねている時間くらい、不安なことは忘れてしまいたい。なにも考えずに、身を任せようと瞼を閉じる。
 視界を遮ったせいで、彼の愛撫をよりリアルに感じる。

 すっかり高められた体は、じれったくてたまらない。彼の唇が触れるたびに、下腹部が疼いて潤みが増した。

「いい?」

 ようやく来てくれると、体が歓喜に震える。
 見つめながらうなずき返すと、すっかり準備の整った中心に彼の昂りを添えられた。
 「はあ……あっ」

 私の反応を確かめながら、ゆっくりと腰を沈めていく。
 そうして一つになると、体を倒した和也さんが私を優しく抱き込んだ。

「紗季、愛している」

 耳もとでささやかれて、心が震える。
 その言葉を信じている。そう声で伝える代わりに、腕を彼の背に回した。

 しばらくして、わずかに体を起こした和也さんが私の顔中に口づけを落としていく。
 お互いの唇が重なり、すぐに舌を差し込まれた。
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