だって結婚に愛はなかったと聞いたので!~離婚宣言したら旦那様の溺愛が炸裂して!?~
 キスで私を翻弄しながら、彼がゆっくりと動き始める。

「ん……っ……」

 絶えず漏れる嬌声は、口づけにのまれていく。
 緩慢な刺激ではだんだんもどかしくなり、潤んだ瞳でもっととねだる。それを察した和也さんは、完全に体を起こして私の腰を掴んだ。

 緩やかだった抽挿は、途端に激しさを増す。
 それまでとは比べ物にならないほど大きな刺激に、たまらず瞼を閉じてシーツをきつく握りしめた。

「あっ……きゃぁ」

 感じるところばかりを攻められて、悲鳴のような声をあげる。
 首を左右に振りながら、過ぎる快感をなんとか逃そうともがいた。

「紗季」

 焦がれるような声音に、胸がギュッと締め付けられる。閉じていた目をそっと開けた。

 彼の熱い眼差しが、私をまっすぐに射抜く。まるで目を逸らすなんて許さないと言われているようだ。
 
 わずかに残っていた理性は、その熱にすべて溶かされていく。
 下腹部の疼きがどんどん大きくなり、おかしくなりそうだ。

 もうなにも考えられない。ただひたすら、和也さんが与えてくれる快楽を自らも追い求めた。

 彼も限界が近づいているのか、眉間にしわを寄せて耐えているのがわかる。
 一緒にという思いを込めて手を伸ばすと、和也さんは指を絡めて握りしめてくれた。

「あっ、あっ……ああぁ」

 全身を大きな快感が駆け抜けていく。
 同時に動きを止めた彼は、体を倒して私を強く抱きしめた。

 素肌に感じる彼の温もりと重みが、私の胸を暖かくする。
 お願いだから、この熱が冷めないでほしい。
 そう切に願いながら、そっと瞼を閉じた。
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