だって結婚に愛はなかったと聞いたので!~離婚宣言したら旦那様の溺愛が炸裂して!?~
横宮さんについては幼馴染だとか妹だとか聞いていたけれど、見合いの話が持ち上がるくらいだ。ふたりの仲は周りが認めるくらいよかったのだろう。
ううん。それどことか、親密だったのかもしれない。だって彼女は、和也さんも縁談に乗り気だったと話していたはず。
さっきだって和也さんは避けていたとはいえ、強く拒否していたわけじゃない。それに、横宮さんは当然のように彼に触れていた。
和也さんが既婚者でなければ、あれが本来のふたりの距離感だったのだろう。
彼のお父様が率いている桐島グループは百貨店部門もあり、国内の主要都市に展開している。
もしかして横宮家とはライバル関係にあったから、たとえ母親同士が仲良くとも縁談が立ち消えたのだろうか。惹かれ合っていたふたりは、それが理由で引き裂かれたのかもしれない。
それでも恋愛感情がなくせず、周囲に隠したまま交際を続けていた可能性だってある。
少なくとも結婚式でのやりとりを思い起こしても、彼女が今でも和也さんを想っているのは間違いないようだった。
私と和也さんの間には、これまで築いてきた一年以上の時間がある。それが私の支えとなっていたが、横宮さんと彼はそれよりもずっと長い間一緒にいた。そしてそれは、自分が勘づいていなかっただけで今でも続いている関係なのかもしれない。
私と結婚してからは、表面上は単なる幼馴染だと装って陰で会っていたのだろうか。
以前なら単なる想像にすぎなかったのに、実際にふたりが一緒にいる場面を見てしまったせいで現実味が帯びてくる。胸はズキズキと痛みだし、どうしていいのかわからなくなった。
今夜をきっかけに和也さんとちゃんと向き合おうという私の決意は、すっかりくじかれてしまった。
和也さんからという状況ではなかったとしても、愛する夫がほかの女性と口づけをかわす姿を目にしたら、さすがに冷静ではいられない。
なにも見なかったふりをして、約束通り和也さんと食事に出かけるなど無理だ。
キャンセルのメッセージを送ろうとようやく思い至り、鞄からスマホを取り出した。
私からの着信が、ふたりへの警告になるかもしれない。それで和也さんは、横宮さんとの触れ合いを踏みとどまってくれるだろうか。
ううん。それどことか、親密だったのかもしれない。だって彼女は、和也さんも縁談に乗り気だったと話していたはず。
さっきだって和也さんは避けていたとはいえ、強く拒否していたわけじゃない。それに、横宮さんは当然のように彼に触れていた。
和也さんが既婚者でなければ、あれが本来のふたりの距離感だったのだろう。
彼のお父様が率いている桐島グループは百貨店部門もあり、国内の主要都市に展開している。
もしかして横宮家とはライバル関係にあったから、たとえ母親同士が仲良くとも縁談が立ち消えたのだろうか。惹かれ合っていたふたりは、それが理由で引き裂かれたのかもしれない。
それでも恋愛感情がなくせず、周囲に隠したまま交際を続けていた可能性だってある。
少なくとも結婚式でのやりとりを思い起こしても、彼女が今でも和也さんを想っているのは間違いないようだった。
私と和也さんの間には、これまで築いてきた一年以上の時間がある。それが私の支えとなっていたが、横宮さんと彼はそれよりもずっと長い間一緒にいた。そしてそれは、自分が勘づいていなかっただけで今でも続いている関係なのかもしれない。
私と結婚してからは、表面上は単なる幼馴染だと装って陰で会っていたのだろうか。
以前なら単なる想像にすぎなかったのに、実際にふたりが一緒にいる場面を見てしまったせいで現実味が帯びてくる。胸はズキズキと痛みだし、どうしていいのかわからなくなった。
今夜をきっかけに和也さんとちゃんと向き合おうという私の決意は、すっかりくじかれてしまった。
和也さんからという状況ではなかったとしても、愛する夫がほかの女性と口づけをかわす姿を目にしたら、さすがに冷静ではいられない。
なにも見なかったふりをして、約束通り和也さんと食事に出かけるなど無理だ。
キャンセルのメッセージを送ろうとようやく思い至り、鞄からスマホを取り出した。
私からの着信が、ふたりへの警告になるかもしれない。それで和也さんは、横宮さんとの触れ合いを踏みとどまってくれるだろうか。