だって結婚に愛はなかったと聞いたので!~離婚宣言したら旦那様の溺愛が炸裂して!?~
ふたりの視線が絡み、和也さんが蕩けるような笑みを浮かべる。それから声をかけてきた男性らに見せつけるようにゆっくりと額に口づけて、再び私を抱きしめた。
『妻だって⁉』
『な、なんだ、既婚者か。それなら早く言ってくれよ。勘違いしたじゃないか』
『あ、悪意はなかったから』
再び和也さんが視線を向けた途端に、ふたりがあからさまに慌てだす。さっきまでの飄々とした軽薄な表情は一転して、恐怖に顔を引きつらせている。
もう一度チラッと和也さんを見上げると、彼は私には向けたことがない怒りの滲む鋭い目で彼らを睨みつけていた。
転げるようにして、ふたりが去っていく。最後までなにを言われていたのかよくわからなかったが、とりあえず解放されたようでほっとした。
けれど、私の鼓動は未だに落ち着かない。
それは知らない人に聞きなれない言葉で話しかけられた恐怖からか。それとも相手はもういないというのに、いまだに私を抱きしめる彼の腕が緩まないせいか。
「……助けてくれて、ありがとう」
真人に襲われそうになった記憶がよみがえったせいで、わずかに声が震える。無意識のうちに、体に回された彼の腕を掴んでいた。
「無事でよかった」
彼の声に、もう怒りの感情は見られない。
「はあ」
重く息を吐き出しながら、和也さんがそっと体を離した。
「紗季が魅力的過ぎて、俺の心配が尽きない」
そう言いながら、私の首筋に顔を埋める。
なにを言っているのかと呆れてしまい、おかげで恐怖が去っていった。
『妻だって⁉』
『な、なんだ、既婚者か。それなら早く言ってくれよ。勘違いしたじゃないか』
『あ、悪意はなかったから』
再び和也さんが視線を向けた途端に、ふたりがあからさまに慌てだす。さっきまでの飄々とした軽薄な表情は一転して、恐怖に顔を引きつらせている。
もう一度チラッと和也さんを見上げると、彼は私には向けたことがない怒りの滲む鋭い目で彼らを睨みつけていた。
転げるようにして、ふたりが去っていく。最後までなにを言われていたのかよくわからなかったが、とりあえず解放されたようでほっとした。
けれど、私の鼓動は未だに落ち着かない。
それは知らない人に聞きなれない言葉で話しかけられた恐怖からか。それとも相手はもういないというのに、いまだに私を抱きしめる彼の腕が緩まないせいか。
「……助けてくれて、ありがとう」
真人に襲われそうになった記憶がよみがえったせいで、わずかに声が震える。無意識のうちに、体に回された彼の腕を掴んでいた。
「無事でよかった」
彼の声に、もう怒りの感情は見られない。
「はあ」
重く息を吐き出しながら、和也さんがそっと体を離した。
「紗季が魅力的過ぎて、俺の心配が尽きない」
そう言いながら、私の首筋に顔を埋める。
なにを言っているのかと呆れてしまい、おかげで恐怖が去っていった。