だって結婚に愛はなかったと聞いたので!~離婚宣言したら旦那様の溺愛が炸裂して!?~
 逆に私といることで、彼を疲弊させていないだろうか。

 ひとりで暮らしていれば、部屋が多少散らかっていてもかまわない。洗濯物だって、週末にまとめて片づけてしまえばいい。外食続きになるのは健康面で心配があるものの、誰に文句を言われるわけでもない。
 他人には見せられないけれど、そんな生活の方が絶対に楽だ。

 それなのに和也さんは、私との離婚を受け入れない。

 彼の本心は聞かなければわからない。
 ただ私としては、ひとりでいる楽さをよりも、彼と過ごす安心感の方を大切にしたいと強く思うようになった。

 彼の定めた三カ月のリミットまでは、まだ一カ月近くある。

 今後の話は、多忙でバタバタした中で伝えたくない。
 仕事が落ち着いたら、きちんと時間を取って彼に自分の素直な気持ちを打ち明けよう。
 そうと決めれば心が軽くなり、それまで以上に意欲的に仕事をこなしていった。








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