迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
「橙吾は結婚願望がないし、ただ単に桃花さんを気に入って付き合っているだけだと思います。たかだか四カ月程度の付き合いですもんね」

 棘のある言葉が容赦なく胸に突き刺さって痛い。そんなことない、という確固たる自信が自分のなかにあればいいのだけれど、残念ながら否定材料がないのだ。

 同棲の話はあるが、その先に結婚があるのかどうかは言われていないのでわからない。ただなんとなく、二、三年付き合って、自然と形になるのかなと考えていた。

「桃花さんと結婚するとなったら、橙吾は消防士を辞めさせられ、ソウミヤホールディングスで働くことになります。それについて桃花さんはどう思います?」

 私が口を噤んでいる間に、山科さんは容赦なく厳しい言葉を叩きつける。

 どう思うって……。そんなの、いいわけがない。橙吾さんが消防士の仕事に誇りを持っていて、大事にしているのを理解しているつもりだ。

「なにかの過ちで、子どもが出来たら最悪ですよ」

 さすがにその言いぐさは聞き流せない。
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