迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
「ママ、いい」

 私と手を繋ぎたいのか。でもここでこうくんの手を離すのは危ないし、どうしよう。

「どこまで行くんだ?」

「……そこの、車に」

 駐車場に目配せをする。

「ケーキの箱、俺が持つよ」

 返事を待たずに橙吾さんは私の手から箱をさらい、先に前を歩く。

 強引すぎるときもあったけれど、こういうリードする姿に男らしさを感じていた。変わっていない逞しい背中に抱きつきたい衝動が襲ってきて、ふうーっと長い息をついて心を落ち着かせる。

 ダメだ、滅茶苦茶だ。動揺して流れるままに行動している。かといってどう振る舞えばいいのか正解がわからない。

「車にのれるようになったのか」

 双子に意識を集中していると見せかけて聞こえないふりをした。エンジンを最初にかけて、音楽を流してからふたりをチャイルドシートに座らせてシートベルトをする。

 逃げるように運転席のドアを開けたところで橙吾さんに腕を掴まれた。

「桃花、待て」
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