迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
「継続的に会うのは、正直なところ避けたいと思ってる。でも一度、落ち着いて話せる場を設けたい」

 そこで橙吾さんの仕事と家の事情に触れて、別れの本当の理由を知ってもらう必要がある。消防士の仕事を辞めても辞めなくても、私が負い目を感じて生きていくことに耐えられないと、きっと橙吾さんもわかってくれるはずだ。

「わかった。そうしよう」

 すんなりとこちらの要望を受け入れた橙吾さんの横顔を見つめる。

 同じ道を歩めなくても、一生会えなくても、私はずっと好きなんだろうな。

 そして彼と一緒になれない現実を案外受け入れている自分を知れただけでも、今日の再会に意味がある。

 もちろん抱きついて温もりを肌で感じたい衝動には襲われるけれど、同じくらいの熱量で橙吾さんの幸せを願っている。

 他人が聞いたら、自分勝手で綺麗ごとだらけと揶揄されそう。

 胸から喉にかけて想いが膨れ上がって息苦しくなり、大きく息を吸って吐いた。橙吾さんは一貫して感情が安定しており、なにを考えているのか想像すらつかなかった。

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