迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
「性格や価値観の不一致が原因じゃない。環境がそうさせたんだ。昔とはまた違っている」

 橙吾さんは私とやり直そうとしているように見える。空白の三年間でもしかしたら好きになった女性がいたかもしれないが、目の前にいる彼が今見つめているのは私なのだ。

 嬉しいし、こんなに幸せなことなどない。ずっと愛していたと泣き喚きたくなる。

 ここまで拗らせた以上、腹を割って話し合う必要があるだろう。東京へ戻ることになれば距離が近くなり、これまで幾度とあったように、偶然が重なって子どもと遭遇する可能性はおおいにある。

「子どもたちが橙吾さんに懐いたうえで、もしまた会えなくなったら、心を傷つけてしまう。他にもいろいろな理由から混乱を招いたりするかもしれない。だからそう簡単に会わせるわけにはいかないよ」

 橙吾さんは前を向いたまま押し黙っている。

 一方的に言い過ぎたよね。できる限り橙吾さんが抱く子どもへの想いも大切にしたいのに、難しくて、息が詰まる。

 マンションから最寄りのインターチェンジの出口に進入する。高速を下りて五分とかからないので、残された時間はあと僅かだ。
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