迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
 自然な流れで桃花と桜子が手を繋いだので、俺も紅汰の手をそっと触ってみる。あまりに無反応なので腰を屈めて顔を覗き込んだ。

 桃花と勘違いしていないか。

 すると俺の目をじっと見た紅汰は、両手を広げて抱きついた。

「あっこ」

 ちゃんと俺と認識しているのか。

 ひょいと片手で持ち上げて紅汰を見ると、口を開けて笑っている。

「紅汰は俺の名前、覚えてくれたか?」

 うーん、と唸ったあと、ひらめいたというように目を輝かせる。

「とご!」

「トドって聞こえなくもないな」

 思ったことをそのまま口にしたら、前を歩いていた桃花がぶはっと吹き出した。

 そういえばツボが浅いんだよな、桃花って。
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