迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
「そこで三人並べる? 写真撮るよ」

 いつも大人ひとりなので撮影する機会がないのか、桃花は慣れていない様子で慌てふためく。

「いいよ、自然な感じで撮るから」

 紅汰と桜子が同時にこっちを見るまで撮り直していたら、たぶん不機嫌になる。

 今日で二回目だが、紅汰が気難しい性格なのは把握している。桜子は頭の回転が速くかしこそうだが、人見知りや場所見知りが強くて桃花にべったりなので、これはこれで手がかかる。

 桃花の負担を減らしたくても、まだ俺に懐いていないのでフォローのしようがない。

 三人でその場をくるくる回ったり、地面に落ちている枝や花びらを拾っている様子を写真に収めていった。

「いいのが撮れたよ」

「嬉しい、ありがとう。三人の写真ってあまりないし、桜は初めてだよ」

 抱き寄せたくなるほど愛らしい笑顔で喜んでもらえて安堵したのと、家族写真を撮ることもままならないこれまでの桃花たちの日常を想像して、複雑な感情が膨れ上がってくる。
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