迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
「橙吾さん、この子たちをアスレチックに連れて行きたいんだけど、ここで休憩してる?」

「俺も行くよ」

 双子の父親が俺だと疑っていないのは桃花もわかっているはずだ。それなのに遠慮ばかりされて悲しくなる。

 アスレチックには多くの子どもたちが遊んでいて、目で追っていないと見失いそうだった。

 桜子は一目散にブランコに駆けていき、桃花が焦った声を出す。

「さーちゃん待って!」

「紅汰といるから、行っておいで」

「ありがとう、助かる」

 桜子のあとを追いかける桃花を見届けて、大きなアスレチックを静かに見やる紅汰のそばに立つ。

 なにを見ているのだろうと視線を追ってみたが、特定のものに目を向けているわけではなさそうだ。

「滑り台やるか? ローラーになっていて面白そうだぞ」

 誘ってみたが反応は薄い。一緒になって他の親子たちを見学するのもなかなか興味深かった。

 しばらくして桃花たちが戻ってくる。

「もしかして、まだどこにも行っていない?」

 頷くと、桃花の顔に影が落ちた。
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