迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
 桃花はふうーっと長い息を吐き、上目遣いで見上げた桜子の頭を優しく撫でた。

「全部正直に話す。長くなるけど聞いてほしい」

 わかった、と返事をすると桃花は俺から視線を外す。あまりいい内容ではなさそうな雰囲気に喉が異常に乾いた。

「幼馴染の山科奈緒さんから、橙吾さんのおうちの事情を聞いたの」

 懐かしい名前をいきなり出されて一瞬呆けてしまった。

 は? どういうことだ?

「聞いたって、どうやって?」

「……店を訪ねてきた」

 奈緒ならやりかねない。昔から我が強く、自分がよければそれでいいという性格が苦手で、できる限り接触を避けてきた。

 俺の知らないところで俺の大切な桃花に近づいていたなんて許せない。どうしてやろうか。

「ご両親から消防士になることを反対されていて、決められた相手と結婚する条件で、認めてもらったんだよね?」

 事実ではあるので頷くと、桃花はあからさまに肩を落とした。
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