迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
「でも消防署のすぐ近くだし、橙吾さんに会いに来たんだろうなと思っていました」

 奈緒から連絡が来たのは桃花と再会したばかりの頃で、折り返さず無視をしている。最後に会ったのは年明けだ。そのときは消防署の近くで待ち伏せされて、仕方なく立ち話をした。

「最近は会っていない」

「そうですか。じゃあ、違う用事があったとか……」

 おそらく俺と佐橋の頭には同じことが浮かんでいる。

「ありがとう。気を配ってみる」

「今度こそ、桃花ちゃんを紹介してもらえるといいなぁ」

「紹介してどうするんだ」

「家族ぐるみのお付き合いをするんですよ」

 それは、佐橋も結婚を考えているということか。いろいろな意味でそうなるといいのだが……。

 佐橋のおかげで空気は軽くなっても、ざらついた胸はしばらく元通りにならない。奈緒と直接顔を合わせるのは嫌だし電話すら気が引けるが、そうは言っていられないか。

 明日仕事が終わったらすぐに対処しよう。また桃花に余計な話を吹き込まれたらたまったものじゃない。

 隊員たちが続々とやってきて辺りが騒がしくなる。一度自分の問題は頭の片隅に追いやって、大交替をすべく気持ちを整えた。

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