迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
「なんの用だ」

「……橙吾? 帰ってきているの?」

「用件を教えてくれ」

「おばさまとおじさまが好きそうなチョコレートが手に入ったから、お裾分けしにきたの」

 山科さんの声は弾んでいて機嫌がよさそうだ。

「わざわざ悪いな。でも今ケーキを食べているからいらない」

「ケーキってどこの? 私も一緒に食べたいから、お邪魔していい? ……おばさま?」

 橙吾さんが拒絶をするので、山科さんは通話の相手をお義母さんに変えようとした。そこで橙吾さんがインターフォンをぷつりと切る。

「父さん、奈緒について話がある」

 表情を引き締めてお義父さんの正面に腰掛けた橙吾さんは、私たちがすれ違うきっかけになった山科さんの行動と、再会後も興信所まで使って接触してきたことを多少脚色してみんなの前で話した。
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