迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
「桃花さんは、どうしてパティシエになろうと思ったんだ?」

「生クリームが大好きなんですよねぇ」

 両手を頬に当てて、桃花さん自身が生クリームのような柔らかい表情を浮かべた。

 こういう仕草をする子どもを見たことがある。

「甘くて、ふわふわで、可愛くて」

 可愛い? 正直なところ共感できないが、生クリームに熱烈な想いを抱いている桃花さんは可愛いと思う。

「存在自体がもう素晴らしいというか」

 語尾を強くしているあたり本気なのがうかがえる。

 かける言葉が浮かばなくて静聴していると、急に桃花さんが俺の顔を覗き込んだ。

「聞いてますか?」

「もちろん。生クリームが神って話だろ」

 桃花さんは吹き出すように笑う。

「神って。いや、たしかにそうですね」

 隠すことなく、大きく口を開けて笑う姿が眩しい。俺はこんなふうに素直に感情を表せないから。
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