迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
「桃花さんは、別れても友達に戻れるタイプ?」

「たぶん戻れないです。だから、橙吾さんの言う通りですね」

 すうっと大きく空気を吸い込み、大きな深呼吸をする姿を見守る。

「今日までに橙吾さんが私の内面を見てくれていたんだと知って、嬉しいです。橙吾さんの自信に満ち溢れているところが、素敵だなって思っていました。上手に付き合えるか正直不安ですけど、よろしくお願いします」

 深々とお辞儀をして、上半身を戻したあと照れくさそうに微笑んだ。

 抱き締めたい。

 襲ってきた衝動をどうにか抑え込んで一歩近づき、手を差し出した。

「ありがとう。桃花さんのこと大事にする」

「……はい」

 握り返された手のひらが驚くほど冷たくて、夢心地から一気に我に返る。

「悪い。こんなに冷えるまで付き合わせて」

「冷え性なんです。気にしないでください」

 心配させないようにへらっと笑う健気な姿に、無性に庇護欲が掻き立てられる。指を一本ずつ絡ませて握り直し、桃花さんの家の方角へ足を向けた。
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