迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
「そうだな。想像以上にいい」

 橙吾さんも満足気で嬉しい。

 まずは辺りの景色を一望できる展望大浴場で日頃の疲れを癒やし、橙吾さんと部屋で待ち合わせるべく浴衣を着て身だしなみを整えた。

 化粧をすべて落としてしまったけれど、はたしてこれで正解なのかわからない。広間には行かないので、すっぴんを見せるのは橙吾さんだけだし、さっぱりしたかったから改めて化粧をしなかった。さすがに色つきのリップは塗ったけれど。

 ええい、どうにでもなれ、という気持ちで部屋の扉を開ける。

「おかえり」

 すぐに声がして、橙吾さんが奥から歩いてきた。

「ただいま」

「いい湯だったな。浴衣似合っている。色っぽい」

 嬉しさと羞恥心がない交ぜになったような感情がぶわっと込み上げて、湯上りで温かくなっている顔がさらに熱くなった。思わず手をかざして顔を隠す。
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