迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
「私が専門学校の一年生のときだった。海外旅行先で宿泊していたホテルで火災事故が起きて、巻き込まれたの。当時はニュースでも騒がれていた」
橙吾さんは記憶をさかのぼっているのか、目線をすっと逸らして考え込む。当時のニュース記事を読んだら思い当たるかもしれない。
「お姉ちゃんは社会人一年目で、大変な時期だった。それでもまだ学生の私のフォローをして、助けてくれていたんだ」
姉は大学を卒業し、就職を機にひとり暮らしを半年ほどしたところだった。両親がいなくなった実家へ戻ってきて、料理も洗濯もなにもできなかった私の世話を焼きつつ、ひとりでも生きていけるように様々なことを教えてくれた。
「お母さんがなんでもしてくれる人だったから、私もひとり暮らしをするまで家事はなにもできなかったし、急にふたりで生活することになって、あの頃は家のなかけっこうぐちゃぐちゃだったよね」
私の隣で苦笑いをする姉の顔に悲しみの色は滲んでいない。私もそうだけれど、七年という月日を経て悲嘆に暮れる日々から離れることができた。まだ完全には立ち直っていないけれど、きっといつか家族四人の写真や動画を見ることもできるようになるはず。
「ふたりとも、すごく頑張ってきたんだな」
傷跡をそっと撫でるような声音が胸を優しく締めつける。
こうやって感傷的なものが急に込み上げるなんて、やっぱりまだ気丈ではいられないな。
橙吾さんは記憶をさかのぼっているのか、目線をすっと逸らして考え込む。当時のニュース記事を読んだら思い当たるかもしれない。
「お姉ちゃんは社会人一年目で、大変な時期だった。それでもまだ学生の私のフォローをして、助けてくれていたんだ」
姉は大学を卒業し、就職を機にひとり暮らしを半年ほどしたところだった。両親がいなくなった実家へ戻ってきて、料理も洗濯もなにもできなかった私の世話を焼きつつ、ひとりでも生きていけるように様々なことを教えてくれた。
「お母さんがなんでもしてくれる人だったから、私もひとり暮らしをするまで家事はなにもできなかったし、急にふたりで生活することになって、あの頃は家のなかけっこうぐちゃぐちゃだったよね」
私の隣で苦笑いをする姉の顔に悲しみの色は滲んでいない。私もそうだけれど、七年という月日を経て悲嘆に暮れる日々から離れることができた。まだ完全には立ち直っていないけれど、きっといつか家族四人の写真や動画を見ることもできるようになるはず。
「ふたりとも、すごく頑張ってきたんだな」
傷跡をそっと撫でるような声音が胸を優しく締めつける。
こうやって感傷的なものが急に込み上げるなんて、やっぱりまだ気丈ではいられないな。