迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
「授かり婚だったんです。桃花をひとりにするのが嫌で、出産するぎりぎりまで実家にいました」

 その頃はもうポワッタビジューで正社員として働いていたし、ひとりで大丈夫だと説得しても姉は出て行こうとしなかった。

「理解のある旦那さんだよね」

「そこに惚れたからね」

 ふたりは高校の同級生同士のカップルで長い付き合いだったし、私とも仲よくしていたので、来るべき日までどっしりかまえて待ってくれた。

「安定期に入ってから婚姻届を提出して、夫の住まいへ移りました。そこから桃花もひとり暮らしを始めたんだよね」

 姉に頷き返す。

 思い出の詰まった実家にひとりではいられなくて、今住んでいるマンションへ引っ越した。実家はまだそのままになっているので、月に一度は帰って空気の入れ替えなどをしている。

「桃花には絶対に、幸せになってもらいたいんです」

 物心ついた頃から喧嘩はほとんどしていないし、親友のように暮らしてきた。もちろん、四つ上の姉が我慢して許容していた部分はあっただろうと、大人になった今ならわかる。
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