迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
「実は俺の両親からも、早苗さんと同じようなことを言われているんだ」

「同じって?」

「消防大学校へ通うことを反対されて大喧嘩したんだ。押し切って消防士になったけど、今ですら転職した方がいいと、顔を合わせるたびに言われる。だから疎遠になっているんだ」

 手元に視線を落としている橙吾さんからは心情が読み取れない。

 家族から認めてもらえないって、つらいよね。しかも特別な技術と能力が必要とされる、ハイパーレスキューとして活躍している現在でもだなんて。

 どうして反対しているのか、疎遠というのはどの程度なのか、聞きたいけれど深入りしていいのか判断がつかない。

「……長い間生きていれば、いろいろあるよね」

 なにか言わなければいけない焦りからおかしな発言をしてしまった。橙吾さんは吹き出すように笑う。

「そうだよな」

 カップを運んできた橙吾さんが隣に座ったので、じっと見据える。続きがあるかもしれないと待ってみたが、柔和な表情をたたえたまま頭を撫でられた。

 距離が近くなると自動的にくっつきたくなるスイッチが入る。

 橙吾さんのこと好きすぎるんだよなぁ。

 厚みのある背中に手を回して抱きつくと、爽やかな香水の匂いと、ひと肌の温もりに包まれてそっと息をつく。
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