迎えにきた強面消防士は双子とママに溺愛がダダ漏れです
「急にいろいろ言われて混乱するよね。焦らずゆっくり考えてもらえればいいから。もちろん、ここでずっと働いてもらうのも嬉しいからね」

 頷いて、お礼を伝えるので精一杯だった。

 新店舗の件により、心ここにあらずの仕事ぶりになってしまったので、早々に切り上げて帰宅することにした。

「ムウ、ただいま」

 返事はなく、部屋に入って電気を点けると、ムウはヒーターを設置した寝床で丸くなっていた。眉間を撫でると、ぐるるるっと鳴きはしたが眠たそうに目を閉じている。

 本格的な冬を迎えてからムウは暖房器具の前からほとんど動かなくなって、猫はこたつで丸くなるという童謡の歌詞通りだ。

「ムウは、引っ越したらストレス感じるよね」

 喉をごろごろ鳴らしているムウからは、あたり前だが答えは返ってこない。
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