幽霊姫は止まれない!
「えーっと、ご存知ないかしら。幽霊姫と呼ばれている末の王女様なんだけど」
「あはは、幽霊なんて呼ばれる女性はこの世にいないよ」
「えっ」
まるで至極当然という風に笑ってそう答えたミック公爵令息は、そのまま話を続けた。
「女の子は全員可愛いんだ、幽霊だなんて言ってはいけないよ。ボクは虜、ボクにも虜。わかったかな?」
「と、虜……」
(濃いわね)
唖然としながら彼のその言葉を繰り返す。さっきはヘトヘトになっていて余裕がなかったらしいが、どうやらコレが彼の通常らしかった。
「幽霊と呼ばないことは理解したわ。でも会ったこともない相手を妖精と呼ぶなんてことはないわよね?」
「女性は皆妖精だよ」
くすりと笑うミック公爵令息に、先日こういう人見たなぁ、なんて赤い髪の魔女を思い出しながら遠い目をする。もしこれが彼の本心ならば、幽霊姫と書くことを許さず彼が勝手に妖精姫へ書き換えただけの可能性も出てきた――というか、その可能性が高いだろう。彼の顔が整っていることと、少々キザだが女性に優しい点を鑑みれば、オスキャルと違い人気もありそうだ。
(なら、あとはどうして私だったのか、ってところだけね)
「あはは、幽霊なんて呼ばれる女性はこの世にいないよ」
「えっ」
まるで至極当然という風に笑ってそう答えたミック公爵令息は、そのまま話を続けた。
「女の子は全員可愛いんだ、幽霊だなんて言ってはいけないよ。ボクは虜、ボクにも虜。わかったかな?」
「と、虜……」
(濃いわね)
唖然としながら彼のその言葉を繰り返す。さっきはヘトヘトになっていて余裕がなかったらしいが、どうやらコレが彼の通常らしかった。
「幽霊と呼ばないことは理解したわ。でも会ったこともない相手を妖精と呼ぶなんてことはないわよね?」
「女性は皆妖精だよ」
くすりと笑うミック公爵令息に、先日こういう人見たなぁ、なんて赤い髪の魔女を思い出しながら遠い目をする。もしこれが彼の本心ならば、幽霊姫と書くことを許さず彼が勝手に妖精姫へ書き換えただけの可能性も出てきた――というか、その可能性が高いだろう。彼の顔が整っていることと、少々キザだが女性に優しい点を鑑みれば、オスキャルと違い人気もありそうだ。
(なら、あとはどうして私だったのか、ってところだけね)