幽霊姫は止まれない!
「何、エヴァ本人が、相手がどんな人なのかを確かめたいというのでな。断るのは当然だが、それとは別にどういった目的があって今回婚約の申込が来たのかを自らの目で確かめ、そして国のためになることを見極める勉強がしたいという希望なんだ」
「そんな……、あの、幼かったエヴァがですか?」
聞かされた妹の想いに目頭が熱くなる。じわりと視界が滲み、ツンと鼻の奥が痛くなった。
あぁ、未熟児で生まれ鳴き声ひとつがなかなか上げられなかったあの小さな命が。王族特有の色を持ち、それなのに王族ならば必ず持っている魔力に恵まれなかったあの小さなエヴァが、いつの間に大人になっていたのだろうか。
「っ、まだまだ……っ、幼いと思っていたのですが」
「子供の成長は早い。アルゲイドが立派な後継者に育ってくれたように、エヴァも王族として国を、そして民を想っているのだよ」
軽々しく涙など流すべきではないことは重々承知だが、父が注意しないことをいいことに溢れる雫をそのままにする。
(守ってやらねばならないとばかり思っていたんだがな)
いつの間にか妹も、この国を守る自覚を持っていたということなのだろう。
「そんな……、あの、幼かったエヴァがですか?」
聞かされた妹の想いに目頭が熱くなる。じわりと視界が滲み、ツンと鼻の奥が痛くなった。
あぁ、未熟児で生まれ鳴き声ひとつがなかなか上げられなかったあの小さな命が。王族特有の色を持ち、それなのに王族ならば必ず持っている魔力に恵まれなかったあの小さなエヴァが、いつの間に大人になっていたのだろうか。
「っ、まだまだ……っ、幼いと思っていたのですが」
「子供の成長は早い。アルゲイドが立派な後継者に育ってくれたように、エヴァも王族として国を、そして民を想っているのだよ」
軽々しく涙など流すべきではないことは重々承知だが、父が注意しないことをいいことに溢れる雫をそのままにする。
(守ってやらねばならないとばかり思っていたんだがな)
いつの間にか妹も、この国を守る自覚を持っていたということなのだろう。