幽霊姫は止まれない!
第二十四話 ネタバレ、ダメ! ゼッタイ!
「あそこにいる黒髪の男、ミックっていうんだけど、私のいとこなのよ」
「いとこ!?」
「えぇ。私のお母様の妹が公爵家に嫁いだの。ミックは叔母さんの息子ってわけ」
(だから似てたのね)
ミック公爵令息とイェッタは、その長いストレートの黒髪など共通点も多い。親しげだった理由も、彼女が隣国まで来てオスキャルを応援していた理由も彼がこの国の貴族だからだろう。
(いくら貴族令嬢でも、いいえ、むしろ貴族令嬢だからこそ気軽にひとりで国を跨ぐなんてできないものね)
だがそれは、あくまでも彼女が気軽に隣国まで来れた理由であって、幽霊姫が邪魔にはならない理由ではない。
「幽霊姫は王族よ。そしてオスキャルはそんな幽霊姫の専属護衛騎士、常にべったりなのに、どうして問題にならないの?」
「あぁ、貴女は平民だから知らないのね。引きこもりの幽霊姫は外には出ないし、専属護衛といっても基本的には仕事はなくて訓練に勤しんでるのよ」
「え? あ、あー。でももし部屋から出たら……」
「それも大丈夫。そのためのミックよ」
「へ?」
「いとこ!?」
「えぇ。私のお母様の妹が公爵家に嫁いだの。ミックは叔母さんの息子ってわけ」
(だから似てたのね)
ミック公爵令息とイェッタは、その長いストレートの黒髪など共通点も多い。親しげだった理由も、彼女が隣国まで来てオスキャルを応援していた理由も彼がこの国の貴族だからだろう。
(いくら貴族令嬢でも、いいえ、むしろ貴族令嬢だからこそ気軽にひとりで国を跨ぐなんてできないものね)
だがそれは、あくまでも彼女が気軽に隣国まで来れた理由であって、幽霊姫が邪魔にはならない理由ではない。
「幽霊姫は王族よ。そしてオスキャルはそんな幽霊姫の専属護衛騎士、常にべったりなのに、どうして問題にならないの?」
「あぁ、貴女は平民だから知らないのね。引きこもりの幽霊姫は外には出ないし、専属護衛といっても基本的には仕事はなくて訓練に勤しんでるのよ」
「え? あ、あー。でももし部屋から出たら……」
「それも大丈夫。そのためのミックよ」
「へ?」