幽霊姫は止まれない!
 それにオスキャル本人もこの場にいるので、どちらの答えが正解か迷うこともない。
(令嬢同士で剣を持って決闘、なんてできないし)

 もちろん令嬢同士の剣を使った決闘がないわけではない。互いに代理を出し、代理同士の勝敗でどちらが勝利かを決めるのだ。だがそうなると私の代理はオスキャルになるだろう。
 ソードマスターである彼が出ればその勝利は確定的。流石にちょっとズルすぎる。
(まぁ、護衛として四六時中一緒にいるんだもの、このクイズもある意味ズルだけどね!)
 オスキャルをかけた戦いに、主人であり今は恋人設定の私が負けるわけにはいかないのである。

「三点先取よ、片方が問題を出してもう片方が答える。正解なら一点、不正解なら問題を出した側に一点ね!」
「正解かどうかは……」
「もちろんオスキャルが判定してくれるわ」
「うわっ、やっぱりそうなります? まぁ問題まで考えさせられなくて良かったか」
「これは益々ボク、いらないよねぇ?」

 くつくつと笑うミック公爵令息と、もうなんだか諦め顔のオスキャル。そして真剣な表情のイェッタを見ながら私は余裕の笑みを溢した。
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