幽霊姫は止まれない!
第二十九話 勝てる勝負を挑んだつもりだったのに
余裕で勝てる。そう確信しながら、私はイェッタに出す問題をパネルへと書き込んだのだった。
「第一問! 普段オスキャルが王城の私の部屋に来る時、どちらの足から踏み込んでく──」
「エヴァ様ッ!」
意気揚々にパネルを出しながら問題文を読み上げていると、私の声を遮るようにオスキャルが声をあげて私からパネルを奪う。
「ちょっと、なにし……んごっ」
そして軽く摘まめるようにと置かれていたクッキーを一枚私の口の中へと詰め込んだ。
「だめです、それは色々まずい」
「はんへよ」
「令嬢の部屋に無断で踏み込んでるってのもアレですけど。それ以前に王城のとかついてる」
「はっ」
指摘された内容に思わず目を見開く。失態だ。王城で暮らすのが当たり前すぎて平然とつけてしまった。
それに、オスキャルが言う通り踏み込むも確かにまずい。恋人ならば踏み込むではなく招かれるはず。
(恋人という前提の理解度が足りなかったわ)
私は自身の失態に苦虫を嚙み潰したような顔をしながら、新しいパネルを椅子の下から取り出した。
「い、今のは例題よ」
「第一問! 普段オスキャルが王城の私の部屋に来る時、どちらの足から踏み込んでく──」
「エヴァ様ッ!」
意気揚々にパネルを出しながら問題文を読み上げていると、私の声を遮るようにオスキャルが声をあげて私からパネルを奪う。
「ちょっと、なにし……んごっ」
そして軽く摘まめるようにと置かれていたクッキーを一枚私の口の中へと詰め込んだ。
「だめです、それは色々まずい」
「はんへよ」
「令嬢の部屋に無断で踏み込んでるってのもアレですけど。それ以前に王城のとかついてる」
「はっ」
指摘された内容に思わず目を見開く。失態だ。王城で暮らすのが当たり前すぎて平然とつけてしまった。
それに、オスキャルが言う通り踏み込むも確かにまずい。恋人ならば踏み込むではなく招かれるはず。
(恋人という前提の理解度が足りなかったわ)
私は自身の失態に苦虫を嚙み潰したような顔をしながら、新しいパネルを椅子の下から取り出した。
「い、今のは例題よ」