幽霊姫は止まれない!
第三十二話 だったら話は変わります
折角考えたのに、と少しだけ不貞腐れていると、今度はイェッタが私の横を通りすぎオスキャルの方へと進む。
そして私の方を見て少しだけ口角をあげた。
「今度、ミックのところで夜会を開催いたしますの。その時、オスキャル様にエスコートして頂きたいんです」
まるで私に見せつけるように令嬢側であるイェッタがそんなことを言い出し、私もオスキャルもぽかんとした。
「貴女は平民ですし、貴族の夜会なんて出たことはないでしょう? どうせ休まれるのでしたら、一日だけお貸し願えない?」
自国の令嬢を自国の騎士がエスコートするのは決しておかしなことではない。
実際は平民ではないものの、私が自身が『幽霊姫』と呼ばれていることを理由に貴族の夜会含めた社交全般に不参加だったということも事実だった。
「貴女、恋人というわりにはオスキャル様のこと、全然知らないじゃない。自分から持ち出した勝負で引き分け、それも駄々を捏ねての引き分け。見苦しいわ」
(それも事実、だけど)
そして私の方を見て少しだけ口角をあげた。
「今度、ミックのところで夜会を開催いたしますの。その時、オスキャル様にエスコートして頂きたいんです」
まるで私に見せつけるように令嬢側であるイェッタがそんなことを言い出し、私もオスキャルもぽかんとした。
「貴女は平民ですし、貴族の夜会なんて出たことはないでしょう? どうせ休まれるのでしたら、一日だけお貸し願えない?」
自国の令嬢を自国の騎士がエスコートするのは決しておかしなことではない。
実際は平民ではないものの、私が自身が『幽霊姫』と呼ばれていることを理由に貴族の夜会含めた社交全般に不参加だったということも事実だった。
「貴女、恋人というわりにはオスキャル様のこと、全然知らないじゃない。自分から持ち出した勝負で引き分け、それも駄々を捏ねての引き分け。見苦しいわ」
(それも事実、だけど)