幽霊姫は止まれない!
「会場で会いましょう、その時どちらが本当にオスキャルに相応しいか、証明する。もしそれでイェッタに認められなければ、オスキャルの隣は譲ってもいいわ」
「相変わらずの上から目線が気になるけど……それ、私が認めないと言うだけで会場でのエスコートも、ダンスも、していただけるってことなの」
「そうよ」
「ちょ、エヴァ様!?」
「他の誰でもなく、私が口先だけ認めないと言うだけで? あ、も、もちろんそもそも貴女にオスキャル様は相応しくないと思っているのだけど!」
「えぇ。それでいいわ」
 彼女の言葉にあっさりと頷くと、目を見開くイェッタと目が合った。ちらりとオスキャルの方を見ると眉をひそめているし、その向こうではミック公爵令息がどこか興味深そうに私たちの方を眺めている。

(そりゃそうよね。だって判断するのは他でもないイェッタ本人なんだもの)
 彼女の本心がどうであれ、ただ『認めない』と口にするだけで私負けなのだ。イカサマ以前の問題だろう。だが、他の誰ではなく彼女に認めて貰わないとこの勝負の意味などないのだから。

「当日、会いましょう」
 私はそれだけを言い残し、その場を後にしたのだった。
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