幽霊姫は止まれない!
第三十五話 楽しく踊りましょう
「オスキャル、私に言うことはないかしら?」
「え? えっと、うーん、バラすなら最初からにしていただけると俺の心の平穏がですね」
「は? 何言ってるの、ダンスに誘いなさいって言ってるんだけど」
「そっちかー」
ムスッとした私の横で天を仰いだオスキャルが、ちらりと私へと視線を移す。
そして少しぎこちなく、どこか恥ずかしそうにしながらそっと手を差し出した。
「貴女と踊る栄光をいただけますでしょうか?」
「はい。喜んで」
(恥ずかしそうにしていたわりには様になってるじゃない)
そんな彼に私は満足気に微笑み、そしてダンスを始める。
少しゆったりとした曲調に合わせ、揺れるようにステップを踏んでいると、そっとオスキャルが顔を私の耳元へ近付けた。
「あの。足を踏むという行為についてなんですが」
「? 流石に安心なさい、ダンス中にわざと踏んだりはしないから」
何度も彼の足を踏んだからこそそれを心配しているのかと思いそう返事をするが、その返事を聞いてもなお強張ったままの彼を怪訝に思っていると、オスキャルが小さくふっと息を吐く。
「え? えっと、うーん、バラすなら最初からにしていただけると俺の心の平穏がですね」
「は? 何言ってるの、ダンスに誘いなさいって言ってるんだけど」
「そっちかー」
ムスッとした私の横で天を仰いだオスキャルが、ちらりと私へと視線を移す。
そして少しぎこちなく、どこか恥ずかしそうにしながらそっと手を差し出した。
「貴女と踊る栄光をいただけますでしょうか?」
「はい。喜んで」
(恥ずかしそうにしていたわりには様になってるじゃない)
そんな彼に私は満足気に微笑み、そしてダンスを始める。
少しゆったりとした曲調に合わせ、揺れるようにステップを踏んでいると、そっとオスキャルが顔を私の耳元へ近付けた。
「あの。足を踏むという行為についてなんですが」
「? 流石に安心なさい、ダンス中にわざと踏んだりはしないから」
何度も彼の足を踏んだからこそそれを心配しているのかと思いそう返事をするが、その返事を聞いてもなお強張ったままの彼を怪訝に思っていると、オスキャルが小さくふっと息を吐く。