幽霊姫は止まれない!
 その説明を聞き、私の頬もじわりと熱くなる。
(それ、つまり私との赤ちゃんを想像したってこと?)
 確かに高い高いをしているような状態から子供を連想したのは私だし、きっとオスキャルもそう連想したのだろう。だがそれはあくまでも体勢の話であって、とそこまで考え、あ、と気付く。
(私、楽しみね、とか言ってたわ)
 言った時はたいして深く考えておらず、ただ子供と遊ぶオスキャルの姿が簡単に想像できたから、ついそんな日が早く来たら微笑ましいな、くらいのつもりだったけれど。
「まるで私がオスキャルとの子供を楽しみにしているみたいに受け取ったってこと!?」
「まぁ、姫君にそんな意図はなかったんだとは思いますけどね。しかも姫君と彼は恋人同士ですし」
「それはっ」
「演技だったとしても、そういう設定で過ごされていたならそことも連想しておかしくはないでしょう」

 くすくすと笑いながらそう告げられ、羞恥で思わず俯いてしまう。
 確かにミック公爵令息が言うことは正しく、状況的にそう捉えられてもおかしくはない言い回しだった。
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