幽霊姫は止まれない!
「ビアンカ姉様! ブランカ姉様!」

 後ろから声をかけてきたのは、王族特有の紫の瞳と美しい金糸の髪を持ったビアンカ・リンディと、琥珀色の美しい瞳と王族特有のピンクの髪を持ったブランカ・リンディ、私の双子の姉たちである。

「ふたりともいるなんて珍しいわね」
「あら。すぐにどこかへ飛び出していく破天荒なビアンカとは違い私は王城の図書館がお気に入りの場所なのよ? 王城にいるのは当たり前だわ」
「おいおい、なんつーこと言うのさ。破天荒じゃなくて行動力があるって言って欲しいっての! そういうブランカは、図書館がお気に入りなんじゃなくてその近くにある会議室の声を盗み聞きして弱みを探るのが好きなだけだろ」
「まぁ、嫌だわビアンカ。王族たるもの、情報は最大の武器、弱みなんていくら握ってもいいじゃない」
「そんなことはない、口先だけの情報より、この目で確かめた真実こそが一番の武器! どこでどうだれの思想が混ざったかもわからない情報よりも真実が一番強いってぇの」
「あらあら、うふふ」
「あはははは」
「ね、姉様方ってば……」
(相変わらずね)
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