幽霊姫は止まれない!

第三十九話 声を揃えて言ってみる

「ビアンカ姉様、ブランカ姉様。オスキャルは私の護衛騎士です。勝手に使おうとしないでください」
「「エヴァ……」」
「エヴァ様……!」
「オスキャルは、私のサンドイッチを取りに行くので忙しいですから、紅茶とクッキーは他の者へ頼んでいただけますか」
 両手を腰に当て、そう宣言すると、一瞬眉を下げたふたりの姉たちは顔を見合わせ、感嘆の声を漏らしたオスキャルはがくりと項垂れた。何故。

「……サンドイッチ、了解しました。厨房へ行くのでついでに紅茶とクッキーもお持ちします。そして願わくばエヴァ様には今一度、『護衛騎士とは何か』を復習していただきたく」
「え?」
「行ってきます」
(護衛騎士とは何かって……守るのが仕事、よね?)
 ちゃんとわかっているつもりなのに念を押され首を傾げる。だが、彼がいつもサンドイッチを取りに行ってくれているのは日常で、なんてそこまで考えハッとした。

「しまった、サンドイッチはいつも私は勉強している間に取りに行ってくれてたんだったわ!」
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