幽霊姫は止まれない!
 持ってきたのも準備したのもオスキャルとはいえ、流石にこの変わりようには私も若干呆れるが──
(ま、それだけ気を許してるってことで、見逃してあげるわ)
 なんて思い、私もサンドイッチにかぶりついた。
 今日は彼の好きなたまごサンドである。
 
「まぁ、絶対受けるとは思ってましたけど」
「それにしては反対しようとしていたじゃない」
「その結果とんでもない逆襲にあいそうになって諦めました」
「あー」
 完全に拗ねた口調のオスキャルに苦笑する。
 だがあの話のキッカケを持ち出したのは姉様だ。そしていくらブランカ姉様の耳がいいとしても、流石に隣国までは聞こえないので、完全に偶然の流れだったとは思うけれど、確かにあのタイミングであの話になったなら彼にとっては脅しにあったようなものかもしれない。

 私も彼をベッドに引きずり込んだ時、私たちが黙っていればバレないから、なんて言って誘ったわけだし、そう考えれば彼のこの反応も仕方ないだろう。
 
「確かに私が悪かったわ。私のサンドイッチ半分あげるから許してちょうだい」
「いくら俺の好きなたまごサンドだからって、それで懐柔されると思ったら……」
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