幽霊姫は止まれない!
第四十三話 イーヌじゃなくてよかった、のか?
『最高に格好よくしてちょうだい』という私の依頼を聞いたメイドたちは、それはもういい仕事をしてくれた。
「いいわ、最高よっ」
「エヴァ様、言葉遣いをお気を付けてください」
「あら。そうね、ビアンカ姉様みたいに話すって決めたものね」
オスキャルからの注意を受け、私は鏡の自分をしっかりと見つめながら僅かに口角だけをあげて微笑んだ。
「今日から頼む。私はヴァル、一時的に殿下の護衛になったんだ」
そして少し王女らしくない話し方のビアンカ姉様を思い浮かべながら、そう口にした。
(決まったわ!)
私のセリフを聞いたメイドたちが一斉に息を呑んだことに気付き、フッと鼻を軽く鳴らす。
我ながらそんなスカした姿もなかなかに様になって〝格好いい〟とそう思った。
──そう。今の私は、誰がどう見ても黒髪のイケメン護衛騎士なのである。
「我ながら完璧に男性だわ! 男装、似合いすぎだわ!」
「エヴァ様、心にどうぞビアンカ殿下を」
「了解した、オスキャル……と、そうね。オスキャルをオスキャルと呼んではダメね」
「いいわ、最高よっ」
「エヴァ様、言葉遣いをお気を付けてください」
「あら。そうね、ビアンカ姉様みたいに話すって決めたものね」
オスキャルからの注意を受け、私は鏡の自分をしっかりと見つめながら僅かに口角だけをあげて微笑んだ。
「今日から頼む。私はヴァル、一時的に殿下の護衛になったんだ」
そして少し王女らしくない話し方のビアンカ姉様を思い浮かべながら、そう口にした。
(決まったわ!)
私のセリフを聞いたメイドたちが一斉に息を呑んだことに気付き、フッと鼻を軽く鳴らす。
我ながらそんなスカした姿もなかなかに様になって〝格好いい〟とそう思った。
──そう。今の私は、誰がどう見ても黒髪のイケメン護衛騎士なのである。
「我ながら完璧に男性だわ! 男装、似合いすぎだわ!」
「エヴァ様、心にどうぞビアンカ殿下を」
「了解した、オスキャル……と、そうね。オスキャルをオスキャルと呼んではダメね」