幽霊姫は止まれない!
「彼女です」
すぐさま私に耳打ちするオスキャル。
「確かなの?」
「はい。気配が一緒です」
流石ソードマスター。そんなこともわかるのか、と感心しながら立ち上がった私たちは早速ある程度距離を取って彼女の後を追い始めた。
「どこに行くのかしら」
「この先は娼館しかありませんが」
「よく知っているのね」
「違います! 誤解です! エヴァ様が行くって言うからっ」
「冗談よっ! だから落ち着きなさい、デリケートなところに悪い冗談いったことは謝るからぁっ」
そんなくだらない会話をしつつ、聖女の後をつける。
幸か不幸か、預言者を自称している彼女は最後まで私たちが後をつけていることには気付いていないようだった。
(でも、お兄様との結婚を狙いながら娼館にも通うなんて、一体どういったつもりなのかしら)
もし彼女の目的地が本当に娼館ならば、王太子妃としての資格を問われることとなるだろう。
そしてそんな私の心配通り、彼女がひとつの建物へ入る。
そこは、『夜闇の館』というちょっとどころではなく怪しすぎる娼館だった。
「聖女じゃなくて性女だったってこと……?」
すぐさま私に耳打ちするオスキャル。
「確かなの?」
「はい。気配が一緒です」
流石ソードマスター。そんなこともわかるのか、と感心しながら立ち上がった私たちは早速ある程度距離を取って彼女の後を追い始めた。
「どこに行くのかしら」
「この先は娼館しかありませんが」
「よく知っているのね」
「違います! 誤解です! エヴァ様が行くって言うからっ」
「冗談よっ! だから落ち着きなさい、デリケートなところに悪い冗談いったことは謝るからぁっ」
そんなくだらない会話をしつつ、聖女の後をつける。
幸か不幸か、預言者を自称している彼女は最後まで私たちが後をつけていることには気付いていないようだった。
(でも、お兄様との結婚を狙いながら娼館にも通うなんて、一体どういったつもりなのかしら)
もし彼女の目的地が本当に娼館ならば、王太子妃としての資格を問われることとなるだろう。
そしてそんな私の心配通り、彼女がひとつの建物へ入る。
そこは、『夜闇の館』というちょっとどころではなく怪しすぎる娼館だった。
「聖女じゃなくて性女だったってこと……?」