幽霊姫は止まれない!
オスキャルからプレゼントされた一輪の薔薇を、そっと持ち込んだ細長いガラスコップへと生けた私はその薔薇を窓辺のよく目のつくところへと置く。
「十分綺麗よね」
間引かれたあとの、もう捨てる薔薇の中から貰ってきたというこの薔薇は、確かに今咲き誇っているので植垣へ残しておくには少し咲き過ぎているのだろう。
花というのはどれだけ美しく咲き誇っていても、同じ場所に大量に咲いていれば養分を取り合い枯れてしまったり、反対に咲かない蕾ができてしまうのだ。だからこそこの間引きという作業は庭師にとって大切な仕事のひとつなのである。
「オスキャルも、大事にしてくれるといいな」
そんな言葉が自然の溢れ、私はその自分自身の発言に呆然とした。
これではまるで私が大事にしているようで……いや、大事にしていないわけでもないけれど。それより、私が気まぐれであげた、正式なプレゼントでもなんでもない薔薇を大事にしていて欲しいと思っているようではないだろうか。
「十分綺麗よね」
間引かれたあとの、もう捨てる薔薇の中から貰ってきたというこの薔薇は、確かに今咲き誇っているので植垣へ残しておくには少し咲き過ぎているのだろう。
花というのはどれだけ美しく咲き誇っていても、同じ場所に大量に咲いていれば養分を取り合い枯れてしまったり、反対に咲かない蕾ができてしまうのだ。だからこそこの間引きという作業は庭師にとって大切な仕事のひとつなのである。
「オスキャルも、大事にしてくれるといいな」
そんな言葉が自然の溢れ、私はその自分自身の発言に呆然とした。
これではまるで私が大事にしているようで……いや、大事にしていないわけでもないけれど。それより、私が気まぐれであげた、正式なプレゼントでもなんでもない薔薇を大事にしていて欲しいと思っているようではないだろうか。