幽霊姫は止まれない!
間引かれ廃棄される花だったなら、そりゃ欲しいと言えばくれるだろう。もちろんそれは専属護衛として王城へ出入りし顔なじみになったオスキャルだからこそ貰えるものではあるのだが……だからこそ、欲しいなら私に言えばいくらでもあげられたのに。
それなのにいつの間に貰ってきたのだろう。
というか、薔薇のお返しが同じ薔薇だなんて。
(それはちょっと、人によっては怒ると思うんだけど)
──でも、何故だろう。
「じゃあ、オスキャルとお揃いってことね」
今は男装中で薔薇なんて似合わないと思うのに、外す気にはならなかった。
その日の調査という名の聖女への付きまといを終えた私は、オスキャルに送ってもらい私室へと戻る。
正直本日の成果といえば聖女の自然な笑みを引き出したというくらいのもので、姉たちからの依頼はまだまだ達成してはいない。というかむしろどうやって達成すればいいのかも若干迷走しているといえる状況だったが、今日はいつもより気分が良かった。
(オスキャルもこんな気持ちだったのかしら)
それなのにいつの間に貰ってきたのだろう。
というか、薔薇のお返しが同じ薔薇だなんて。
(それはちょっと、人によっては怒ると思うんだけど)
──でも、何故だろう。
「じゃあ、オスキャルとお揃いってことね」
今は男装中で薔薇なんて似合わないと思うのに、外す気にはならなかった。
その日の調査という名の聖女への付きまといを終えた私は、オスキャルに送ってもらい私室へと戻る。
正直本日の成果といえば聖女の自然な笑みを引き出したというくらいのもので、姉たちからの依頼はまだまだ達成してはいない。というかむしろどうやって達成すればいいのかも若干迷走しているといえる状況だったが、今日はいつもより気分が良かった。
(オスキャルもこんな気持ちだったのかしら)