幽霊姫は止まれない!
「娼館自体に何か仕掛けがあるのかもしれないし! それに私たちの目的は彼女が本当は娼婦だと確定させることと、その真意を探ることよ! ならここではなく、あちらへ出向くのが大事じゃないかしら」
「そ、れは」

 無茶苦茶な理論ではあるが、それでもオスキャルを頷かせるには十分だったらしい。
 それに現状聖女が本当に娼婦だという証拠は何もないことを考えると、全てがすべて無意味ではないだろう。

(結局娼館へ入って行ったところまでは確認できたけど、娼婦として接客している姿は見れてないものね)

 王太子妃が娼婦だなんてのは流石に外聞が悪く、しかもその職業を偽って預言の聖女を名乗っているのだ。そこを指摘するためにも証拠はひとつでも多い方がいいというのは確かなことだった。

「と、いうわけで再戦は今晩よ! ふたりでちゅうちゅうプレイの実態を暴いてやろうじゃない!」
「やっぱそっちが目的ですか!? やめてください、お年頃だとか言われても俺は断じて認めませんからね!」
「わかってるわよ、オスキャルが遅い思春期を迎えてることは内緒だものね」
「俺がお年頃なんじゃねぇーッ!」
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