幽霊姫は止まれない!
 他にも大き目のベッドに置かれた枕の柄や上掛けの柄も薔薇をモチーフにしており、壁にはこれまた薔薇をドライフラワーにして貼り付けられた立体的な絵画が飾られていた。

 家具はダークブラウンで統一されており、シンプルながら高級感がある。
 とはいえ、その家具はベッドと丸テーブル以外には化粧台とベッド横のサイドテーブルしかないのだが。

(実際に生活するには家具が少なすぎるけど、ここはあくまでも一夜を楽しむ娼館だものね)

 きっとこの家具たちは『吸血鬼』というコンセプトを活かすための演出道具というだけで実際に使うわけではないのだろう。
 部屋自体もかなり狭く、ほとんどのスペースをベッドが占めているところも、その考えが正解だと言っているようだった。
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