幽霊姫は止まれない!
第五十八話 ちゅうちゅうは不必要
椅子などがないのは、私がひたすらちゅうちゅうを強調したから不必要だと思ったのだろうか。
「薔薇が多いのは、コンセプト?」
あえて本題とは関係ない話を振ると、聖女が一瞬きょとんとする。
「ちゅうちゅうしたいって言ってたからそっち側希望だと思ったんだけど」
(そっち側ってどっち側よ)
いや、吸う方なのだとはわかっているが、そもそも吸血鬼をコンセプトにしている娼館だということくらいしか知らないのだ。
その戸惑いを察したのか、はぁっと大きなため息を吐いた彼女がドカッと大きな動作でベッドへと腰かける。
見えそうで見えないギリギリの動作で足を組んだ彼女は、王城で見るよりもずっと雑な動作で髪をばさりと払った。
「あー、初心者ね。りょーかい。この娼館のコンセプトは知ってるのよね」
「知ってる」
「じゃあ、吸血鬼伝説はご存じ?」
そう聞かれ、オスキャルと顔を見合わせた私はすぐに首を左右に振った。
「物語上の存在ということしかわからないかな」
「薔薇が多いのは、コンセプト?」
あえて本題とは関係ない話を振ると、聖女が一瞬きょとんとする。
「ちゅうちゅうしたいって言ってたからそっち側希望だと思ったんだけど」
(そっち側ってどっち側よ)
いや、吸う方なのだとはわかっているが、そもそも吸血鬼をコンセプトにしている娼館だということくらいしか知らないのだ。
その戸惑いを察したのか、はぁっと大きなため息を吐いた彼女がドカッと大きな動作でベッドへと腰かける。
見えそうで見えないギリギリの動作で足を組んだ彼女は、王城で見るよりもずっと雑な動作で髪をばさりと払った。
「あー、初心者ね。りょーかい。この娼館のコンセプトは知ってるのよね」
「知ってる」
「じゃあ、吸血鬼伝説はご存じ?」
そう聞かれ、オスキャルと顔を見合わせた私はすぐに首を左右に振った。
「物語上の存在ということしかわからないかな」