幽霊姫は止まれない!
「あー! あー! エヴァ様の教育に悪いんでぇぇえ!」
 私の呆れにも似た文句をそのままスルーしたオスキャルと、そんな彼にちがうベクトルで恋多きふたりも呆れを滲ませる。護衛騎士とはこういったところも警護するものではないと思うのだが、こればかりは本人の性格なので仕方ないだろう。

「ハイハイ。そこの過保護な王子様というよりお父様はもう置いておいて。それよりわざわざここまで来たんだもの、何か目的があったんでしょ?」
「よく話を戻してくれたわ! 流石魔女ね」
「まぁ、魔女ってのは通称でただ魔力と魔力の扱いが上手いってだけなんだけどね」
「というか、アンタたちがじれもだやってなかったらこんな話にならなかったんじゃ……」
「あー! あー! だからエヴァ様の教育に悪いんでぇぇえ!」
「「そういうとこよ」」
(本当に気が合うわね)

 確かに系統の似ているふたりなので気も合うのだろう。そしてこのオスキャルの反応もわかるのだが、今はそれどころではないので華麗にスルーし事前に聖女から受け取っていた小瓶を取り出す。
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