幽霊姫は止まれない!
第六十八話 エルフへの道筋
「でも今回はお客じゃないでしょ」
「まぁ、そうね。というか相手が一途で有名なエルフだったなら、変に隠すと逆に名誉を傷つけそう。安心して、部屋に入って第一声が『恩を返せ』だったのよ。そこから吸血鬼ごっこなんてできないっての」
「確かに」
はぁ、と半ば諦めたように明かしてくれたエルフとの内情に、想像通りだったと私は口を噤んだ。
オスキャルはもう何も言うまいと謎の決意で口を噤んでいるが、そこには触れない方がいいのだろう。
そんなちょっとした会話に花を咲かせていると、急に馬車が止まる。
窓から外の様子を確認すると、どうやら森の近くまで来たようだった。
「孤児院は寄ってく?」
「いきなり騎士様を連れて行くとみんなびっくりしちゃうからいいわ。私が今聖女なんてやってるってのも知らせてないしね」
「ちょっと。それを言うなら私を連れて行くことに驚いてくれないかしら、私、これでも一国の姫よ」
「姫様、顔出ししてないじゃない」
「そうだったわ」
「まぁ、そうね。というか相手が一途で有名なエルフだったなら、変に隠すと逆に名誉を傷つけそう。安心して、部屋に入って第一声が『恩を返せ』だったのよ。そこから吸血鬼ごっこなんてできないっての」
「確かに」
はぁ、と半ば諦めたように明かしてくれたエルフとの内情に、想像通りだったと私は口を噤んだ。
オスキャルはもう何も言うまいと謎の決意で口を噤んでいるが、そこには触れない方がいいのだろう。
そんなちょっとした会話に花を咲かせていると、急に馬車が止まる。
窓から外の様子を確認すると、どうやら森の近くまで来たようだった。
「孤児院は寄ってく?」
「いきなり騎士様を連れて行くとみんなびっくりしちゃうからいいわ。私が今聖女なんてやってるってのも知らせてないしね」
「ちょっと。それを言うなら私を連れて行くことに驚いてくれないかしら、私、これでも一国の姫よ」
「姫様、顔出ししてないじゃない」
「そうだったわ」