幽霊姫は止まれない!
道案内を考えれば聖女が先頭でもよかったのだが、彼女も森の奥には入ったことがないということだったのでこの並びになった。草木が少なく一応道として成立しているとはいえ獣道だ、王都の整備された道とは違いあまり歩きやすい道ではないせいでつい足元ばかりに視線を落としてしまう。
「ね、ねぇ、これあとどれくらい歩くのかしら?」
きっとまだ歩き出して二十分も経っていないどころか、自分の足で歩き出してからならまだ五分もたっていないかもしれない。けれど、想像以上の歩きづらさもあり体感では一時間は過ぎていた。
ゼェゼェと口で呼吸しながらそう問うと、やはり騎士である彼はこれくらい余裕なのか、息ひとつ乱れていない平然とした声色で「どうでしょうねぇ」なんて呑気な返事が来る始末。
(そうよね、オスキャルにとってこの程度なんでもないわよね……!?)
思い返せば隣国に潜入した時も一度訓練に混ざったが、とてもじゃないがついていけなかった。だが、あの時は私だけでなく他の貴族令息たちも訓練にはついていけなかったじゃないか。
「ね、ねぇ、これあとどれくらい歩くのかしら?」
きっとまだ歩き出して二十分も経っていないどころか、自分の足で歩き出してからならまだ五分もたっていないかもしれない。けれど、想像以上の歩きづらさもあり体感では一時間は過ぎていた。
ゼェゼェと口で呼吸しながらそう問うと、やはり騎士である彼はこれくらい余裕なのか、息ひとつ乱れていない平然とした声色で「どうでしょうねぇ」なんて呑気な返事が来る始末。
(そうよね、オスキャルにとってこの程度なんでもないわよね……!?)
思い返せば隣国に潜入した時も一度訓練に混ざったが、とてもじゃないがついていけなかった。だが、あの時は私だけでなく他の貴族令息たちも訓練にはついていけなかったじゃないか。